過去ログ - 黒井社長「行くぞっ!!青二才っ!!」(アイマスSS)
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2012/03/29(木) 12:01:37.68 ID:lnWJ8GSr0
悔しいがその通りである。今回の『作戦』にしても、ガス爆発かなんかで処理されて、関係者の半数以上が捕まることもなく、人身売買という事
件が公になることはないだろう。

全てとは言わないが、警察上層部の腐敗は深刻であり、俺が警察を辞めた原因でもある。

「犯罪の妨害は出来るが、犯人を捕まえる事は出来ない。まあそんなゴミ共は殺してしまってもいいのだが、それでは品が無いし、興味もないし
 な。だが巻き込まれる被害者は別だ。それが社会的にも幼い未成年者であれば尚更だ。汚い大人に騙されて何も知らずに利用されて、その夢を
 潰えさせてしまうような事は、絶対に許すわけにはいかないのだ……っ!!」 

後ろからひしひしと、ボスの怒りが伝わってくる。怒鳴る事はよくあるが、本気で怒る事は滅多にない。いつも飄々とふざけていて、感情を表に
出すことがあまりないので、珍しい光景だった。ボスは自分の過去を話さないので分からないが、『子供たちの人身売買』という犯罪に何か特別
な感情があるのだろうか。このセリフだけを聞いていると、ボスは正義の味方の様に思えるが、ボスはそれを言われると激怒する。「俺を警察な
んかと一緒にするな」と。ボスは警察が嫌いである。では闇の支配者かと言えば、これまたボスは怒るのだ。「俺をそんな小悪党にするな」と。
ボスは悪でもないらしい。

そう、ボスはただただ『黒い』のだ。

「正義の味方ってのはな、闇に生きる人間にとっては眩しいのだよ。どんなに上手く闇に溶け込んでも、ちらりと正義が顔を出せばそれは闇夜の
 星のように輝いて、闇は一斉に反応するのだ。闇の連中は光に敏感なのだよ。だから正義の感情を表に出すな。正義に頼ろうとするな。正義の
 事を考えるな。ただただ『黒く』あれ。怒りも喜びも悲しみも憎しみも、全て黒く塗りつぶしてしまえ。そうして闇に溶け込むのだ。だが闇に
 染まって、自らを貶めてはいけない。それはただの『悪』だ。悪はひとりでは何も出来ず、三流以下のクソつまらん人生を歩むことしか出来な
 い。闇に侵されてはいけない。悪を塗りつぶすくらい、『黒く』あれ。そうして黒く輝く存在になれば、お前はもう『黒』として一人前だ」

ボスは常日頃、このような事を口にしている。これがボスの言う『黒の美学』らしいのだが、理解出来ている部下は、俺含めて誰も居ないだろう。
ただ意味は理解出来なくとも、妙に心に響く言葉であり、皆この『黒の美学』に惹かれている。俺みたいな正義に失望した人間や、悪に嫌気がさ
した奴らが、ボスの言う『黒』に魅力を感じているのだ。事実、自ら黒を体現したボスはとても部下に信頼されていて、尊敬されている。……俺
もその実力は認めてなくはない。

「……と、長話が過ぎたな。そういうわけだから、会社設立の手続きを早急にやるように。分かったかね?」

「分かりましたよ『社長』。今後ともよろしくお願いします。しっかし俺達がアイドル事務所の社員とか、何の冗談だって思いますよ」

「おや、キミは若い女の子じゃなくて熟女好きだったか。だったら老人ホームでもいいぞ」

「そういう意味じゃありませんよ!それに熟女好きでもありません!てか老人ホームって、熟女通り越してバアさんじゃないですか!」

「では男色の方か……ハッ、もしかして私は今、貞操の危機なのか?」

「このまま東京湾にダイブしますよアンタ!?俺は普通にノーマルで、若い女の子が大好きですよ!!765プロのファンですよ!!」

「ほほう……キミは765プロのアイドルが好きなのか……これは良いことを知ったな……」

「ハッ、し、しまったぁ―――――っ!!」

弱みを見せてはいけない相手に、つまらんことで弱みを握られてしまった。ミラー越しに、ボスがニヤニヤしている。しばらくいじられるな
こりゃ……

「まあ冗談はここまでにしておいて」

ふとボスがマジメな顔になった。

「若い子はいいよ。夢と希望に満ち溢れていて、見ているだけで元気になれる。アイドルは、本当に希望を体現したような存在なんだ」

「何を知ったような事を言ってるんですか。本当にアイドルをプロデュースしていたわけでもあるまいし」

「これでも昔はアイドル事務所を設立して、社長をやっていたのだよ」

「ハイハイ、冗談はそこまでにして下さいね。てか本当に会社を作るのは良いとして、所属アイドルはどうするんですか?」

社長の戯言を軽く聞き流して、当面の問題をぶつけてみる。



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