526:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/11/04(月) 16:48:55.34 ID:oSVf7ZO3o
「よし、ヘル様顕現の儀式を発動する。それと青年、特異点とやらの
発生に前後して何か留意すべき事項はあるかね」
「特異点が発生する魔力溜まりでは通常ではあり得ない密度の魔力が
蓄積しているから」
かつてフロギストン鉱石のみで発電施設を作ろうとした際、アンジェに
注意された事柄を思い出しながらアイザックは直近の問題となるであろう
ことを指摘した。
「その影響を受けて死体がアンデッド化したり生物がミュータント化
することが予想される」
「分かった。幸いにも付近に墓地やその類の遺跡は確認されていない。
アルミニウム精錬用のエレクトロン転換装置は地下の石炭の廃坑道に
設置しているが、動物の死骸などが無いよう兵士を──」
「まってくれ」
「なんだね」
「石炭の、廃坑?」
ぎぎぎ、と硬直するアイザックに青年実業家は首を傾げる。
「問題なかろう?」
「──火力発電所を作る際に、オリバーから聞いたことがある。石炭とは
古代の植物が大量に積み重なり石化した代物だと」
「む」
「植物が堆積する際、うっかり太古の動物達が巻き込まれる場合がある
こと。実際、巨大な巻き貝とか分類不能な巨大生物が見つかることも」
「つまり」
「早いところ周辺の魔力を枯渇させないと」
直後。
地面が揺れた。
正確には地面を突き破り、アルミニウム精錬用の巨大な電解炉を包み
込むように異形の樹木が現れる。
「なるほどこれが浪漫に曰くフラグ乙というものかあ!」
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