過去ログ - 御坂「めでたしめでたし……って。終る訳ないじゃない」
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[saga]
2012/04/13(金) 13:52:38.23 ID:i1aznLUL0
「まあ。見逃してほしいっつー、オマエの気持ちはよくわかるがよ」
集団のリーダと思しき青年が愉快そうに喋る。
まわる口は止まらない。思いついた誘い文句を品のない笑みと一緒にぶつけてくる。
「だがそれじゃあ駄目だ。全、然ッ! 駄、目、だ!
せっかく同僚が飲み会に誘ったってのに『業務外ですから』って無表情で一刀両断する奴みたいじゃん?
上司とかならともかくよ。これから『仲良くガンバロー』と握手求めてくれるオトモダチの掌を全力で叩く行為ってどーよ」
「つまンねェ例えだ。提案した側が決める事か? ソレ。握手を交わすも拒むも、最終的な決定権は受けた側にあるってモンだろ」
「確かにそうかもしれねえ」
けどよ、と。いっこうに終りが見えない青年の語りが続く。
重なるように他七人の嘲笑がバックコーラスと成って、集団リーダの背中を後押しする。
「人様からの好意は素直に受け取っておけよ。
犬は尻尾を振るから人間に愛される。愛嬌ってやつだな。そいつがあるからこそ庇護の下で暖をとれるのさ。
愛嬌……、いた、愛想でもいい。そーいう大事な事を忘れたら人間だって社会では生きていけないんだぜ、“第一位さま”よ」
一人の少年に向けられる眼光は光りを浮かべる。
発売日当日にお目当ての新作ゲームソフトをせしめた子供のように輝く瞳だ。
ただし。微々たる月額の小遣いをせっせと貯める忍耐もなく、ボーナス目当ての家事手伝いに勤しむ労力もなく。
「欲しい! 欲しい!」と願望をぶつけ喚き駄々こねて母親を困らせる、そんな子供の瞳に似て。
それが全部で八人分、十四。
やけに人の癪に障る眼光だ。
「……ンだよ。やっぱオマエらはオマエらでしかない、っつー事かァ」
――同じ無能力者でも、こうも違うか。
こめかみが痛い。
外界からの攻撃は完璧に防げても、内からのものは防げない。
もしかしたらという期待。
やはりかという失望。
自分自身でも望むものの概要すらも分らずに、アイツだけが特別製なのだと再認識。
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