過去ログ - 御坂「めでたしめでたし……って。終る訳ないじゃない」
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57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/01(火) 18:19:08.74 ID:i5Tj2oKN0

「フルチューニング? ……ああ、天井亜雄が一番最初に製造したクローン体の事ね」


 後ろから放たれた言葉に振り返る。
 布束を円柱培養器がある部屋へ案内した白衣の女がこちらに近寄りながら、興味深げに問いかけてきた。


「試作個体、試験個体、プロトタイプ。彼女には色々な呼び名があったらしいけど。
 ミサカ〇〇〇〇〇号の別名はフルチューニングというのね。ならば、調整個体、とも呼ばれていたのかしら」

「彼女に正式名称は無かった。〇〇〇〇〇号という識別番号だって絶対能力進化計画につけられたものに過ぎない」

「そうね。万を超えるクローンにだって区別方法が無ければ現場は混乱してしまうわ。
 たとえ量産型能力者計画で開発された試作型のクローンにだって、便宜上の名は必要だった」

 
 円柱培養器の前に立つ布束の隣まで女は近づいた。
 ドアをノックするように培養器を軽く叩く。
 これはね、と中で眠る少女を指す。


「二万飛んで一人目の妹達よ」


 見間違ってしまうほどに試作型となった個体に似ているのね、と。
 

「正式名称、ミサカ二〇〇〇一号。ちょっと特殊な個体でね。
 最終信号とも打ち止めとも呼ばれているわ。今になってみれば、その通称を使うのも私くらいなものよ」


 実験停止して、私以外の研究者は逃げちゃったから。
 白衣の女――、絶対能力進化計画にかかわり未だに残留し続けている研究者・芳川桔梗は小さく笑った。





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