過去ログ - 朋也「ヴァイオリンの音色……?珍しいな……」
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164: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/06(金) 20:03:26.22 ID:cZmeGaaU0
仁科「………………。すみません、岡崎さん……」

ようやく落ち着いたのか、仁科から話しかけてくる。

朋也「別に謝る事じゃない。それより、さっきはなにをしようとしてたんだよ」
仁科「………………」

黙りこくる。よっぽど言いにくいことなのだろうか……。

仁科「……少し長くなりますが、いいですか?」
朋也「ああ」
仁科「実は、この子……この学校のものじゃないんです。少し前の卒業生が置いていったもののようで、音楽室の片隅で埃をかぶっていたんです。それを……たまたま、私が見つけたんです」
朋也「………」
仁科「最初は、なんて残酷なものがあるんだろう……、そう思いました。でも……、この子を見ていると、昔を思い出してしまったんです。
   事故にあうよりも、もっと前を。何ひとつ気にせずに、ヴァイオリンを自由に弾くことが出来ていた頃を……。気がついたら、この子を持って職員室まで来ていました。
   音楽室を管理している担当の先生を訪ねたんです。そしたら、この子を置いていった卒業生を探すって……。だから、それまでは自由に使ってもいいといってくれました。
   ……うれしかったんです。少しの間でも、私の手元にこの子がいることが。だから、つい演奏してしまったんです。私の握力が完全に弱る前までなら、演奏することができるから……。
   でも、ついさっき、その先生から連絡がありました。この子の元の持ち主が……見つかったって……」


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