過去ログ - 朋也「ヴァイオリンの音色……?珍しいな……」
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250: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:29:13.76 ID:jVKw7bQx0
名前を……いや、名字を呼ばれたような気がした。

朋也「りえっ!」

もう一度、名前を呼ぶ。
以下略



251: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:30:43.14 ID:jVKw7bQx0


りえは、手術から一夜明けた日に退院した。俺の手には少しの手荷物と、病院から渡されたリハビリの道具。
それに、りえの右手と右手首は、包帯で巻かれていた。

以下略



252: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:31:45.96 ID:jVKw7bQx0
朋也「なんだよ、歯切れが悪いな。一度決めたことは、曲げないんだろ?ほら、ひと思いに言ってみろよ」
りえ「〜〜〜……。お、岡崎さんっ!」
朋也「………」

他のほうに顔を向ける。
以下略



253: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:32:56.62 ID:jVKw7bQx0
朋也「……ああ、ありがとう、りえ」

りえの顔は真っ赤だったが、同時に強い意志を感じ取れた。

りえ「〜〜――……だ、だから、その……」
以下略



254: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:33:40.37 ID:jVKw7bQx0
りえ「えっ……?じゃあ、どうして言わなかったんですか?」
朋也「わからないか?本当に」
りえ「はい……わからないです」

どうやら、本当にわかっていないようだった。
以下略



255: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:35:05.36 ID:jVKw7bQx0
俺がそう言うと、りえは涙ぐんだ顔を俺に向けた。

りえ「嬉しい……。ずっと、苦しかったんです……。いろんな人に、私たちが付き合っていないと否定するのが。
   もし、私が付き合っていますと言っても、朋也さんの方が否定するんじゃないかって思っていましたから……」
朋也「そりゃそうだろうな。今の今までは付き合ってはいなかったんだから」
以下略



256: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:36:05.49 ID:jVKw7bQx0
朋也「あ、あともうひとつだけ」
りえ「はい?」

人通りのないところまで歩いてくると、俺は足を止めた。

以下略



257: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:36:33.96 ID:jVKw7bQx0
スッと、俺の方から唇を離す。
りえは、そのままの体制からピクリとも動かなかった。

朋也「りえ……」

以下略



258: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:37:26.74 ID:jVKw7bQx0
朋也「……」

りえが動かないのをいいことに、もう一度唇を重ねた。
………今度は、さっきよりも長く。
りえは、相変わらず動かなかった。唇を離すと、もう一度りえの名前を呼ぶ。
以下略



259: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:38:13.64 ID:jVKw7bQx0
朋也「ああ、キスしたな」

恥ずかしげもなく、そう答えてやる。そうすると、りえの顔はまたみるみる赤くなっていく。

りえ「……い、いきなりだから……ちょっとだけ、びっくりしてしまいました……」
以下略



260: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:39:59.99 ID:jVKw7bQx0
*     *     *

年が開け、冬休みもあと少しとなった頃。ようやく、りえの握力が人並みまで戻ったと言う知らせを受けた。

りえ「ようやく、ですね」
以下略



261: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:41:06.78 ID:jVKw7bQx0
りえ「……それで、朋也さん」
朋也「ああ、なんだ、りえ」
りえ「その……演奏の件なんですが……。私、事故にあってからは自分のヴァイオリンは処分してしまったんです。
   まさか、こんな日が来るなんて夢にも思いませんでしたから。ですから……、今すぐ演奏をするのは……」
朋也「りえ」
以下略



262: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:42:08.33 ID:jVKw7bQx0
りえ「本当に、ありがとうございます。朋也さん。手術代を払ってくれただけでなく、こんな高価なヴァイオリンまでくれるなんて……」
朋也「……?なんで高価ってわかるんだ?」
りえ「ほら、ここに」

りえが、ケースの端についている値札をひらひらとさせる。
以下略



263: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:43:55.80 ID:jVKw7bQx0
りえ「……今から私が演奏するのは、私のオリジナルの曲です。事故に合う前の私が仕上げた曲です。人に聞かせるのは初めてですけど……聴いて下さい、朋也さん」
朋也「ああ」

ずっと、この日を楽しみにしていたんだ。聴くに決まっている。

以下略



264: ◆uOSHePfhFc[saga]
2012/04/13(金) 10:45:55.45 ID:jVKw7bQx0
以上、これで投下終了となります。

構想としては原作ゲーム、仁科ルートというのを意識して書き上げました。

読みにくい部分も多々あると思いますが、楽しんでくれたのなら幸いです。
以下略



265:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/13(金) 10:47:16.94 ID:/+5P2GxDO
>>1
エンダァァァァァァァァァァァァ

この朋也は欠片をいくつ集めたんだ?w
大分大人になっているが、面白かったよ


266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/13(金) 11:25:51.78 ID:/ieKf8lIO

長く期間が空く事もなく投下があったからよかっよ

朋也はリア充


267:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2012/04/13(金) 13:21:55.67 ID:t8lNpKTco

よっしゃぁぁっぁああああ!!!


268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]
2012/04/13(金) 16:47:45.21 ID:MAA/lMcSo
>>1
イヤァァァァァァァァ

投下のテンポも割りと良かったし大変面白かった!


269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県)[sage]
2012/04/13(金) 22:42:08.48 ID:o374kyN1o

ものすごく面白かった!


270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]
2012/05/21(月) 10:28:15.98 ID:CEBxH/hAO
追いついた!
お疲れ様です


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