過去ログ - 朋也「ヴァイオリンの音色……?珍しいな……」
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◆uOSHePfhFc
[saga]
2012/04/06(金) 21:14:20.17 ID:cZmeGaaU0
玄関には、父の姿があった。
……いつもは、居間の壁によりかかって気絶するように寝ている父の姿が。
親父「おかえり、朋也くん」
なんで、このタイミングで現れるのだろう、この人は。
親父「こんな時間に帰ってくるなんて、珍しいね」
朋也「なんだよ、親父……。俺、疲れてるんだよ……」
この人とはあまり話をしたくない。
親父「なにか、バイトでも始めたのかい。昨日も、疲れ果てて寝てたみたいだったけど」
朋也「ああ、まぁな……」
親父「そうかい。朋也くん、大変だねぇ。なにか、お金が必要なのかい?」
いつもなら切れて自分の部屋に行くのだが、今はそんな元気もなかった。だから、親父の質問に答えるしかなかった。
朋也「ちょっと、友人の関係でな……」
親父「そうか……。朋也くんは、友達のために頑張っているんだね。もう……立派にお金を稼いでいるんだね……」
そう言うと、親父は遠い目をした。
朋也「……俺、疲れてるからもう寝るよ」
親父「ああ、おやすみ。朋也くん」
それだけ言い残して、親父は居間へと戻っていった。口の端に、わずかに微笑を浮かべていたように見えた。
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