過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」〜外付けHD〜
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101:少女の拒絶[saga]
2012/04/19(木) 22:07:21.25 ID:hZbfin/90


「よ、大丈夫か?」

「とう…あ!!」

「ちょ、痛、痛ぇ!何だよオイ!!」


抱きかかえられ、しばし呆然としていたインデックスが何かに気付いたようににわかに慌てる。
息も触れる距離にあった上条の顔を無理矢理両手で押し退けると、インデックスは足をもつれさせながら距離を取る。
その際にスニーカーが片方脱げてしまったのが彼女の動揺を表わしているのであるが、いきなりの拒絶の態度を前に上条は気付く余裕も無い。
警戒心も露わな子猫のように、全身を逆立てるように上条を見るインデックスに上条は途方に暮れたように伸ばしかけた手を引っ込める。


「いきなりなんだよお前。せっかく助けに来たってのに」

「誰も来て欲しいとも助けて欲しいとも言ってないかも。押し付けがましいんだよ」

「押し付けがましいって…俺はお前の事を思ってだなぁ」

「嘘ばっかり。とうまは私のことなんて何もわかってないんだよ!!!」


口に出してからインデックスはしまったと口をおさえる。
上条の肩が小さく震えたのが彼女の碧の瞳にははっきりと映っていた。
傷つけてしまった。
自分の事を助けようと来てくれた少年を自分は。
それでも、それでも「ごめん」という言葉をインデックスは飲み込む。
つまらない意地だとわかっていても、インデックスは上条が来てくれた事を素直に喜ぶ訳にはいかなかった。
スカートの裾を指で握りながら、インデックスは俯く。


本当はありがとうと言いたかった。


嬉しかったと笑いたかった。


会いたかったと抱きつきたかった。



しかし、それをしてしまっては意味が無い。
また元に戻ってしまう。また進めなくなってしまう。
こんな事をしてしまったそもそもの理由が無為に帰してしまう。


インデックスが上条から離れるのをあたかも待ち侘びていたように、どろりとした汚泥が触手のようにインデックスの足首に巻き付く。


「キャッ!」

「インデックス!!」


すぐさま汚泥はインデックスの身体をからめとる。
蜘蛛の巣に捕らえられた蝶の如く、インデックスの小さな身体は軽々と持ち上がる。
インデックスに駆け寄ろうとする上条を、しかし、インデックスは唯一自由になる右手で制する。


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