過去ログ - 結「やっぱり桂馬君には敵わないよなあ」(神のみSS)
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32:1 ◆/5mmo/htMU[saga]
2012/04/06(金) 23:05:54.14 ID:/lOoac1x0


***


到着した警察に本当の事を話すわけにもいかず、ボクは車が壊れて男達が倒れている所を偶然通りかかり、たまたま
薬で気を失っていた美生を救出した、という事にした。車の壊れ方といい男達に巻きついたガードレールといい、
男じゃなくてもこんな人知を超えた所業が出来る訳がない。美生は一応病院に搬送され、ボクは軽い聴取だけされて家に
帰された。次の日には『宇宙人の仕業かっ!?』という見出しで、誘拐事件というよりは怪事件としてニュースに取り上げられた。
おかげで被害者の美生があまり取り沙汰されることは無く、彼女の生活に支障のあるような事態にはならなかった。

「アンタが助けてくれたみたいね、結。ありがと」

翌朝登校してきた美生は、開口一番ボクにお礼を言った。

「ボクはたまたま通りかかっただけで何もしてないよ。それより宇宙人が助けてくれたみたいだけど、美生はUFOとか
 見てないの?」

ボクはわざと知らないフリをして、話題を切り替える。

「追いかけられていた所までは憶えているんだけど、その後すぐに眠らされたのよね……。次に起きたら病院のベッドの
 上だし、何だか夢でも見ていた気分だわ」

美生は頭をひねりながらうんうんと唸っていた。憶えていない方が都合が良いや。

「まあ無事で良かったじゃないか。レディの夜の一人歩きは危ないよ。もうファミレスのバイト辞めたら?」

「言われなくてもママに辞めさせられたわよ……。『アンタがそんな気を遣わなくてもいいのっ!!』って怒られちゃった。
 朝のコンビニのバイトも辞めさせられるし、またパン屋のバイトだけになっちゃったわよ……」

やや不貞腐れた様子で美生が愚痴った。まあ美生がそこまで頑張らなくても青山家は大丈夫だろう。

「いいじゃないか。今は将来の為にいっぱい勉強した方がお母様も喜ぶと思うよ」

「将来に向けて、今稼いでおくのよ。大学合格したって、入学金が払えなきゃ意味がないじゃない。まあママの怒りが
 収まったら、またバイト増やすつもりだけどね♪じゃあね」

それだけを言い残すと、美生は自分の席に戻って行った。






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