過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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(愛知県)
[saga]
2012/04/06(金) 23:22:32.34 ID:LK9HCvEh0
「当たり前じゃ。そんな熱烈な視線を浴びせていては誰だって気が付くぞ」
「そんな……僕はただ普通に見ていただけなのに……」
人間観察ですら許されない世の中になってしまったのか。世知辛い。
「あれはどう見ても視姦じゃ」という忍の戯言はスルー。人間観察だって、普通の。
「しかしあれだけカラフルじゃと、人目を引くのは仕方がないかもしれんの」
「でも他の客は全く気にしちゃいねぇぜ? 流石都会、と言えなくは無いかもだけどさ」
「ふん。戦隊モノ並みにカラフルな奴等は気にならないのに、儂とお前様は気になるみたいじゃがな!」
「一心腐乱にドーナッツを貪るお前に引いてんだよ……」
昔のアニメの食いしん坊キャラの如くドーナッツの山を崩している忍の姿は、僕でも直視するには耐えがたかったというのに、一般の皆様が耐えられる訳がない。
気が付けば僕達の座るテーブルの周りには誰もお客が居なくなっていた。セール中だというのに周りが閑散としているのは辛い。
僕は黒髪の少女に見られているのと、周りのお客の視線にバツが悪くなり、俯きがちにコーヒーを啜る。
早めに退散したほうが良いなぁ、これは。
「おっ、ここ空いてるじゃん! ラッキー」
と、さっさとコーヒーを飲み干して退転しようかと思っていた矢先、僕の耳元に激しくトレイをテーブルに置く音と共にそんな声が飛び込んできた。
チラリと隣に視線を向けてみれば、なんと青髪の少女が空いていた六人掛けテーブルにトレイを置き腰を下ろしているではないか。
マズイ。いや、別に何か悪いことをした訳ではないが、青髪の彼女がこのテーブルに来たということは他の四人も集まってくるだろう。
つまり、僕をゴミを見るような目で見ていた黒髪の少女もこちらに来るということで、それはとっても気まずいなって。
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