過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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74: ◆z4kkLFoqqU[saga]
2012/05/18(金) 00:43:37.19 ID:eeJld/1h0

007


 舞台装置の魔女。
 その性質は『無力』。
 全てを戯曲に変える結界不要の魔女。

 通称――ワルプルギスの夜。

 暁美は一般人には必要のない知識だと言ってここまでしか説明してくれなかったが、
あの後――つまりは巴の住むマンションの一室から退出した後のことだ。

 僕が押す自転車の前カゴにすっぽりとその身体を入れ、僕に向き合うような格好のまま、その実態を詳しく説明してくれた。

 頼んでも居ないのに、説明をした。

「ワルプルギスの夜というのは通称での、実際は名前も分からぬ魔女じゃ。数百年前から世界中のどこかに現れては街を一つほど破壊して去っていく」

「つまり、その魔女が起こした現象を指してるわけか」

「そうじゃ。しかし、何も知らぬ一般人にとってはただの自然災害と捉えられるだけじゃが」

「ふぅん、そりゃあいかにも怪異っぽいな」

 いかにもというか、魔女は総じて怪異そのものなんだろうけど。怪異が起こした現象はそうやって辻褄が合ってくのだから。
僕の『この体質』が、突き詰めればただの血液の異常だというように、その魔女が起こした結果は『自然災害』となるだけなのだろう。
この間の蜂のように原因不明の流行病を、正体不明の怪異として見立てたように――まあ、アレは偽史という偽物の怪異らしいのだけれど。
怪異に偽物も本物もあるまい。怪異は世界と繋がっていて、何処にでもいて、何処にもいない。



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