過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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79: ◆z4kkLFoqqU[saga]
2012/05/18(金) 00:57:31.09 ID:eeJld/1h0

「暁美……?」

 僕は動けない。暁美の気迫に圧倒されたから――ではなく、もっと単純な理由からだ。

 彼女の右手には巴の部屋で傍らに置いてあった拳銃がしっかりと握られていて、その銃口が忍を狙っているのだから。

「いらん心配をするでないぞ、お前様よ。 お前様は黙ってこやつの話を訊いておればよい」

「喋るのも、行動を取ったものとみなすわ」

 いつかの戦場ヶ原と同じ台詞を吐きながら、改めて忍の頭部に照準を合わせる暁美に対し、忍は我関せずと言った表情で続ける。

「かっか。そんな玉っころで儂を殺せると思っておるのが実に滑稽じゃの」

「黙りなさい。これ以上余計なことを喋れば本当に撃つわよ」

 銃口を向けられようと、刺す様な殺気を浴びながらでも、忍は薄く笑いながら続ける。

「いやいや、滑稽なのはうぬら――いや、うぬ一人だけじゃな。魔法少女になど成ってしまった時点で喜劇の舞台上じゃからの」

 銃声。サイレンサーでもの装着していたのだろうか、魔女の結界で訊いた銃声とは比べ物にならないほど僅かな音だった。
だが、間違いなく忍の綺麗な金髪が生えているその頭部目掛けて、暁美は引き金を引いたのだ。

 普通であれば規制が掛かるほどの描写を数レスに渉って記述するのが語り部である僕の仕事なのだろうが、残念ながらそれが適うことはない。
なぜならば僕はそんな残酷なシーンを冷静に描写できるほど人でなしではないし、そもそも目を背けてしまうのがオチだろう。

 しかし、描写できない理由はそんなことではない。

 だって、そもそも銃弾は忍に当たってさえいないのだから。

「!?」

「やれやれ、何をそんなに焦っておるのか分からん」

 そして忍は凄惨な笑みを暁美に向けて、言い放つ。



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