52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:16:04.47 ID:ypdOa8j/0
  
 澪「あ、えっと、私からお礼言っておくからさ」 
  
 澪ママ「そう。じゃあ、私は今度りっちゃんが遊びに来る時、」 
  
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:16:45.49 ID:ypdOa8j/0
  
 ママは律が大好きだ。 
 友達がいなくて本ばかり読んでいた私に最初に出来た友達の律。 
 家にばかりいた私を外に連れ出してくれた律。 
 友達の中で誕生日プレゼントを最初にくれた律。 
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:17:24.61 ID:ypdOa8j/0
  
 好きになっちゃいけなかった。 
 でも、好きにならないなんてできなかった。 
 だって、私の中はこんなにも律で溢れてる。 
 律を忘れるってことは、もう私じゃなくなっちゃうってことなんだよ。 
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:18:17.26 ID:ypdOa8j/0
  
  
 この日、私は学校を休んだ。 
 ずーっとベッドの中で過ごして、外はもう真っ暗だ。 
 いつもならそろそろ律と電話を始める時間だった。 
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:18:55.99 ID:ypdOa8j/0
  
 律に、今朝はごめんって、言い過ぎたって言ってほしい。 
 私のこと好きじゃなくてもいいから、律の隣りにいさせてほしい。 
  
 私は、そんな気持ちを律宛のメールに書きつづった。 
57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:19:42.25 ID:ypdOa8j/0
  
 翌日も私は学校を休んだ。 
 軽音部のみんなからは心配のメールが次々届くのに、 
 一番欲しい律からのメールは未だ無し。 
  
58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:20:42.81 ID:ypdOa8j/0
  
 翌日。 
  
 朝、洗面所の鏡の前。そこに映ったのは、 
 瞼は腫れ、目の下には大きなクマ、頬はこけ、目は落ち窪み、髪はボサボサな自分だった。 
59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:21:21.06 ID:ypdOa8j/0
  
 澪ママ「澪ちゃん、まだ体調悪いんじゃない? 食欲も無いし。」 
  
 澪ママ「病院に行った方が……」 
  
60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:22:07.51 ID:ypdOa8j/0
  
 久しぶりに家を出た。 
 外は春らしく強い風が吹いていた。 
  
 しばらく歩くと、律との待ち合わせ場所に到着した。 
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/07(土) 10:22:49.39 ID:ypdOa8j/0
  
 ほどなくして、見慣れた背格好の女子高生が走ってきた。 
  
 あぁ、まだ顔ははっきり見えないというのに、なんでこんなに愛おしいんだろう。 
 心臓がドキドキと脈を打ち始める。 
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