19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[saga]
2012/04/10(火) 23:40:07.58 ID:IJ5o4b7AO
「私の名前は、シトリー」
「……シ、ト、リー」
「シトリー」
「シトリー」
「うん!私は、シトリー!」
指を指して呼ぶと彼は笑った。
目を細めて、手を叩いている。
これは、彼らの喜びの動作だろうか。
ならば、同じく喜びを感じた私も、同じ動作で分かち合いたい。
私が両手を広げ、手を叩こうとしたその時である。
非常に激しい、尋常ならざる腹痛が私を襲った。
私はこの刹那に、ほんの少しだけであるが、確かに目の前の現地魔族を恨んだ。
あの肉は食べるべきではなかったのだ、と。
「あっ、ああっ…」
しかし腹痛の原因は全く別に存在していた。
それは、私の腹から飛び出る細い刃が教えてくれた。
「シトリー!逃げなさいッ!」
背後で槍を構える現地魔族を見たのが、そこでの私の記憶の最後である。
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