22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/04/11(水) 22:16:04.90 ID:Xc6OUb7/0
目を覚ました私は、とても冷たい場所に居た。
それは名工キケルルの作ったモザイクタイル床のように平坦で、酷寒の砂浜のように冷たい場所だった。
未だ残る腹部の痛みは、槍か銛によるものだった。が、止血はなされていた。
私は過酷な状態ではあるが、一命を取り留めたらしい。
『この石室は……』
私が眠っていた場所は、狭い石造りの部屋だった。
大きめに切られた重厚感ある石の部屋である。
窓と正面の空間には金属の棒が並列されているだけの、風通しの良い空間がつくられている。
等級としては、あまり良いものではないだろう。
『……私はここの者に助けられたのか?』
周囲に誰もいなかった。
冷たい石の部屋には私だけが存在していた。ひどく静かだった。
寂しい。
しかし空腹感はあまり感じていない。最初に訪れた小屋で、肉を食べたからだ。
刺された部位は痛むが、砂浜に打ち上げられた時よりはマシな状況であると言える。
私を別室に移した意図はわからないが…。
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