3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/04/08(日) 16:33:38.43 ID:qh1FgEUD0
ゆっくりと起き上がる。
身体が重い。身体を腕の翼で掃うと、おびただしい量の砂が羽根の間から零れ落ちた。重い原因はこれだ。
私はしばらくの間、己の身体に纏わる不快な砂を払い続けていたが、そのうちに砂以上の深刻な問題に気付いた。
喉が渇いた。
そして、腹が減った。
3日の絶食どころではない。まるで10日も絶食していたかのような、痛みすら伴う空腹を感じた。
その衝撃に、思わず脚がふらつくほどだった。
『まずい……』
口の中から砂交じりの唾を吐きだす。
喉の異物が消え去り、改めて渇きと空腹を実感する。
このままでは飢え死にしてしまう。
そうだ、私はタコを探し求めていたのだ。その時から空腹だった。
あの巨大なサイクロンに巻き込まれ、どれほどの時間が経ったのだろう。
空腹の具合から量るに、まさに10日ほどか。まずい。
求婚の為の黄金の鎧はまだ完成していないというのに、無駄な10日ほどが過ぎてしまったとでもいうのだろうか。
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