過去ログ - ランサー「ゲイ…ボルグ!」アンリ士郎「アッー!」
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191:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/23(月) 00:25:54.12 ID:e4y+QMAf0
 シンセサイザーが織りなす硬質な弦もどき、管もどきの鋭いハーモニーが、静寂の澱粉膜にくるまれ、泥炭の原野に踏み込んだ感触。
 眉間に焦点をあて、寄り目になって待ちうける。ゆらぎの感覚………いよいよ入眠のサインかな?
 ……違った、電話の音は完全に遮断されているのだが、なにか別の気配、執念の気配……のようなもの……
 気になりだすと、黙殺は困難だ。ヘッドホーンをわずかずらせて、聞き耳を立ててしまう。
 掃除機の中で腹をたてている胡蜂(すずめばち)のうなり。
 闇に走らせた視線の端で二十日鼠みたいに震えている、ほの白い受話器。
 駄目だ、この調子では、朝まで確認を繰り返すだけのことだろう。
 ただ逃げまわっていては事態の悪化をまねくだけのことだ。デッキのスイッチを切り、耳栓を抜いて、受話器をとった。



「どこにいるの?」

 間髪を入れず、ロニの呼び掛け。
 懐かしさを感じさせる柔和な、悪く解釈すれば媚をふくんだ、甘みのある声。


「そりゃたまには喧嘩することもあるだろうけど、信頼だって必要じゃないの?」


「何処から覗いているんだよ」


「覗いてるもんですか。ねえ、ホントにどうしたの?
 んーん……この際喧嘩の理由はいいわ。あくまでも平静にして……いい?叫んだり、どっかに雲隠れしたりするのはもう止めて」


「困ってるのはこっちだよ……」


「心配してるの。わかってるでしょ?
 私たちは聖杯戦争をしてるのよ?仲間割れはそのまま命綱を断ちかねないことなの」


「……わかってるよ」


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