過去ログ - 桐乃「ねぇ、散歩行かない?」京介「……そうだな、たまには行ってみるか」
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101: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/07/06(金) 20:08:00.33 ID:uYhwQJMKo

リア・ハグリィ――桐乃曰く、『世界一足の速い小学生』ってことだ。
いや、今年あたりはもう中学生だったかもしれん。まあ、それはどうでもいいことだが。
桐乃がアメリカ留学をしていた当時のルームメイトであり、一度だけだが唯一勝てた相手でもある。

「リアにとっちゃ、一度でもおまえに負けたことがよっぽど悔しかったんじゃねえのか?」

「そんなことはわかってる。
 あたしだって陸上やってんだから、他の人に負けるのがどんなに悔しいかなんて」

「それじゃあ、他にどんな気持ちがあるって言うんだよ」

「さっき京介に、あの日のリアの気持ちになって考えてみてって言ったよね?
 三人で秋葉原へ行って、その帰りにあたしとリアが校庭で決着を付けたときのことを思い出して」

俺は目を瞑り、あの日の出来事を思い浮かべた。
スタートはほぼ同時だった。しかし、持って生まれた才能なのか、瞬く間にリアの加速が始まる。
桐乃も全力でリアの背中を追ったが、次第にその間隔が広がって行く。

俺は思わず我を忘れて桐乃に声援を送る。一瞬、桐乃が加速したかに見えた。
真剣勝負の迫力に圧倒されながらも、俺はあらん限りの声を振り絞って桐乃にエールを送り続ける。
すると、俺のエールが届いたかのように、桐乃の加速がさらに強まった。

しかし、奇跡は起きなかった。
手を伸ばせばリアの背中に届きそうなほど桐乃が追い上げたときには、そこがゴールだった。
日本にわざわざ来てまでリベンジを果たしたリアは、当然のごとく桐乃をからかい全身で喜びを表した。
桐乃も負けじとリアを口汚く罵ったが、その顔はとても晴れやかだった。


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