過去ログ - 桐乃「ねぇ、散歩行かない?」京介「……そうだな、たまには行ってみるか」
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102: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/07/06(金) 20:08:43.66 ID:uYhwQJMKo

「リアって、おまえに対してはまったく容赦しなかったもんな」

「それが世界でも通用するリアの凄いとこなのかも。
 ねえ、もしあのとき、あたしが全力で走らなかったり、途中でリタイアしちゃったらどうしてたかなぁ」

「リアは、おまえと正々堂々と勝負するためにわざわざ日本までやって来たんだろ。
 俺の目からもリアは真剣だったし、おまえが手を抜いて勝負を避けたら、やっぱ怒ったんじゃねえの」

「だよね。あたしがリアだったら、きっと激怒したと思うもん。
 ――ざっけんな! あたしは、あんたをライバルだと認めてたのに! ってね」

「俺もだな。――ふざけんじゃねーよ、俺のことをバカにすんな! ってな」

「そうそう、京介もようやくわかってきたじゃん」

「わからないでどーするよ。
 おまえもそうだけど、リアだってずっと陸上と真剣に向き合って来たんだろ?
 それだったら尚更じゃねーか。ライバルだと思ってヤツが、決着がつく前に勝負を捨てたら頭に来るさ」

「うんうん、そこまでわかってれば、瑠璃が京介と別れた理由もわかるんじゃない?」

「……今の話と黒猫に何か関係があったのか?」

「あのね、今ここであたしが関係ない話をしてどーすんのよ!
 まあいいや、あたし、お手洗い行って来るから……京介は、自販機まで行って飲物買って来て。
 午後ティーのレモンティーだからね」

俺は浮かない顔を装い、桐乃から空になったペットボトルを受け取るとベンチから立ち上がった。
桐乃が何でリアの話を持ち出したか、いくらなんでも俺だって話の途中で気付くってもんさ。
気付かない振りをしたのは、俺自身が勝負を避けている負い目かもしれない。


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