過去ログ - 桐乃「ねぇ、散歩行かない?」京介「……そうだな、たまには行ってみるか」
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104: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/07/06(金) 20:11:39.13 ID:uYhwQJMKo

「あんなのが告白のうちに入るわけないじゃん。
 あんなもんでいいなら、あたしが毎日だって言ってあげ――そうじゃなくって!
 もっとこう……今にも死んじゃいそうなほど思い詰めてるっていうか」

「黒猫の場合、普段からそんな感じ……」

俺は、桐乃と話しているうちにふと思い出したことがあった。
アメリカに留学中で長らく音信不通になっていた桐乃から、不意にメールが送られて来た日のことだ。
その日の夕方、俺は事前に黒猫から校舎裏まで来るよう呼び出されていた。

俺は桐乃から届いたメールのことで頭が一杯になり、そのときの詳しい会話までは憶えていない。
しかし、それでも一つだけ心に引っ掛かる言葉があった。
ふと黒猫の口から洩れた、『――そんな有様では、私の用件は果たせなさそうね』という含みのある一言。
あのとき、黒猫が俺を呼び出した用件というのはもしや……。

「ふーん、何だか心当たりがあるみたいじゃん。
 あたしも詳しいことは聞かないであげるけど、瑠璃はずっと前から心に決めてたんだと思うよ」

「じゃあ、黒猫が夏休みに俺に告白した意味っていうのは……」

「あたしのことを挑発して、もう一度、スタートラインにあたしを立たせたかったんだと思う。
 瑠璃のお蔭で、あたしは自分自身の気持ちと向き合う決心がついたの」

「おまえは、本当にそれでいいのか?」

「……もし負けたとしても、いつかみたいに後悔だけはしたくないもん」

桐乃はペットボトルを軽く宙に放り上げ、飛び散る雫とともに両手でしっかりとキャッチした。
今さら何も聞かなかった振りをして家に帰るなんて、そんな選択肢は俺にはねえよな。


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