過去ログ - ウルフルン「食っちまうぞー!」みゆき「きゃー!」
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296:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/04/28(土) 23:30:35.33 ID:R+8qzPw10

『テメエは、俺の敵だろうが――――んっ!?』


唐突に、胸板のあたりに何かが飛び込んできた。
息を詰まらせ、言葉を切り、眼を見開く。
“何か”は狼の腕を取って、鋭く尖った鉤爪を“何か”自身の心臓の真上に添え、降りしきる長雨にも負けずにしっかり眼を見開いて、


『怖くない』


澄みきったピンクエメラルドの奥に、醜悪な銀狼の姿を捉えて、力強く言いきった。
そしてその両頬をゆったりと、蕾の花が開くように綻ばせた。
大輪の向日葵よりも、満開の桜を思わせる賑やかな華やかさがそこにはあった。


『私は、オオカミさんのこと、全然怖いなんて思ってないよ』


脳の裏側を、やすりでこそぎ取られたような感覚が走った。
死んだ方がマシだ。
本気で、そう思った。

衝動に身を任せ、手首に絡みついてくる甘い香りを振り払い、凶手の狙いを自らの心の臓に合わせる。
わなわなと震える右手を振りかぶり、己が命を咀嚼してやろうと、勢いよく左胸に突き刺し



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