過去ログ - ペンデックス「魔力生成のためにご協力をお願いします」上条「」
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61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/04/13(金) 12:14:04.87 ID:HJb5FERto

 彼女が通い妻のごとく朝食を作りに来る理由のひとつがこれだ。
 エレベーターが上から下まで行くわずか数秒。その数秒の密室のためにわざわざ早起きして通っているのだ。
 もちろん、それだけではないのだけれども。
 恋する乙女にコストパフォーマンス云々の経済学は通用しない。

 そして。


「今日は元気ないから特別」


 ちゅ。

 淡く桜色で、わずかにリップの乗った甘い唇が上条のそれと重なった。

 二回目。だけど三回目のキス。
 嬉しく思うとともに上条の中に拭いきれない黒いものがあることを再確認させられる。
 こんなに可愛いい彼女を裏切ってしまったという事実。

 一瞬、自分にキスを受ける権利があるのかと悩むも反射的にここで躊躇いを見せれば絶対に怪しまれると本能が判断した。
 体温を感じるほど近くにある美琴の顔が赤く染まっている。
 わずか数秒。
 その間だけでも抱きしめようと上条が彼女の背中に手を回す。

 が。

 ちーん。

 その前にエレベーターは一回フロアに到着していた。


「じゃ、ね。放課後いつもの場所でね」


 突き放すように上条から離れた美琴は照れくさいのか、一度も振り返らず全力で駆け出していった。
 フロアの自動ドアを抜けて左に曲がったと思ったらあっという間に消えてしまう。
 上条は呆然としながら視線だけでいなくなった美琴を追うしかなかった。



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