36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage saga]
2012/04/16(月) 20:18:12.68 ID:jhabFmV8o
「お姉は体が弱くて、入退院を繰り返していたんですよ。
だから同年代より若く見られて、少し言動が幼稚なんですよね」
風子「……」
姫子「……」
そういう子とは接したことがあるから、なんとなく分かる。
これから会いに行く子がそうだった。だから、その子と感覚が似通っていたんだ。
この子が危惧している理由もなんとなく分かる。
それを理由に分け隔ててしまうことが嫌なんだろうな。
そう思って、同い年でありながら少し幼さを見せる子に近づいていく。
「……」
姫子「……」
見惚れている。
風子もこの子と同じ表情をしていたんだろうな。そう思うとなんだか可笑しい。
「キレイですね。イロノナイセカイ」
姫子「?」
どういう意味だろう。
夜は黒? 夕方は茜色? 昼は暖かい色? 色が無いってことは白?
白は色じゃない?
風子「太陽に反射した海が輝いているよ、光色」
「本当だ」
姫子「???」
わたしの隣に並んだ風子がイロノナイセカイに色を付けた。
その色を確認した彼女が笑っている。
イロを見つけたみたいでなんとなく嬉しい。
色の無い世界は寂しいと思ったから。
ガラガラッ
「おかあさーん、はやくー」
戸が開くと同時に女の子の声が響き渡る。
「ダメでしょ、大きい声をだしちゃ」
「だってぇ、おひさまが〜!」
「はいはい、まずは体を洗ってからね〜」
二人の親子がこの世界を支配したようだ。のんびりとした空気に包まれる。
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