過去ログ - 姫子「グッド・ラック」
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage saga]
2012/04/16(月) 20:28:23.04 ID:jhabFmV8o

姫子「……」


横になって天井をみつめる。

憧れていた大地へ航路は進んでいるのに、なぜか落ち着いている。
昨日、汽笛の音を聞いた時は柄にもなく気持ちが弾んだのに。
見送る彼女に手を振っている時、自分の心は期待に満ち溢れていたのに。

この静けさはなんだろう。
物思いに耽っていると、まぶたが重くなっていくのに気づく。


姫子「……!」


いけない……、眠ってしまう。
体を起こして窓を通して外を眺める。波打っている海が見えた。

イロノナイセカイ

その世界に迷いもなく色を付けた風子。
わたしは何色を付けることができるんだろう。

そんなことを考えながらベッドから降りる。


姫子「おっと……」


貴重品の入った鞄を置いていくところだった。
貸切状態といっても、貴重品をまた置き忘れるのはわたしの失態に違いは無い。

ちゃんと管理をしなければいけない。気を引き締めていかなくてはいけない。


姫子「気をつけよう」



船内を歩いて時間を過ごしているうちに約束の時間になっていた。

レストランの入り口へ辿り着く。

風子は居ない。
中を覗いてみても、それらしき人物は居ない。あの三姉妹も見当たらない。


ポケットからケータイを取り出して時間をみる。
8時50分。

窓に向けて備え付けられた椅子があるので座って待つことにする。

風子は時間を決めた約束には厳しいから、本人が遅れるのは珍しいと思った。
待つことにはいいらしい。待たせることが嫌だと。

水平線を眺めていると後ろから声が掛かる。


風子「ごめんね、姫ちゃん」

姫子「……来たね。行こうか」

風子「……」

姫子「……」


申し訳なさそうにしている風子。
5分くらいの遅れでは怒ったりしないのにね。


姫子「服、預かっててくれているんでしょ? ありがと」

風子「……うん」


なにを食べようかな。



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