過去ログ - 姫子「グッド・ラック」
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage saga]
2012/04/16(月) 20:24:34.30 ID:jhabFmV8o


姫子「……」

風子「乾燥機に入れてどれくらい経つの?」

姫子「入れたばかりだから、あと20分くらいかな」

風子「20分後……」


そう言って、腕時計を確認している。

年季の入った腕時計。
時代には合わないらしいその時計を風子は大事にしている。
前に聞いた話では、亡くなった祖母が愛用していたとか。
その祖母も母から譲り受けた代物だとか。つまり風子の曾祖母から受け継がれた時計ということになる。

写真でしか知らない、その人からの贈り物。と少し切なそうに紹介してくれた。


風子「今、8時20分だから……、45分にレストランでいい?」

姫子「服を持っていってくれるの?」

風子「うん。それじゃ後でね」

姫子「……」


コインランドリーへ歩いていく風子。わたしのウォークマンを手にして。


姫子「別に、いいけどさ……」


時間の使い方を考えてみる。

特に思いつかないので、客室へ戻ろうと決めた。
その前に、コインロッカーから貴重品をまとめた鞄をとってこなくては。



客室へ辿り着く。歩いて見た限りでは乗客はそんなにいないみたいだった。この季節だから当然かな。
自分のベッドへ上り、荷物から携帯ゲーム機を取り出し、起動しようとしてやめる。
ゲームをしていたら20分なんてすぐ過ぎてしまう。そんな短時間ではろくに進まないから、別のことをしよう。


姫子「……」


ケータイの着信ランプが点滅している。
メールだろうと思って、開いてみる。2件のメールが届いていた。

『 行ってらっしゃい。
  気をつけてね。 』

和からだった。
しっかりしているようで、どこか抜けている彼女、真鍋和。
卒業してからも半年に一度の頻度で会っていた。
4ヶ月前にこの旅の話をしていたけど、


姫子「覚えていたんだ……」


気にかけてくれるのは嬉しい。

もう一件は風子だった。


『 ウォークマン借りるね。 』


時刻は30分前。
一応断りの連絡は入れていたみたいだ。これは事後承諾になるのかな。
というか、ここに置きっぱなしだったんだ。風子が気づいてくれて良かったのかもしれない。




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