642:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県)[sage saga]
2012/09/30(日) 14:11:59.03 ID:WmJAPMKKo
紬「……そんなことはありません」
瀬織「あるのよ。何年、何十年と時間が過ぎればここは変わる……それは絶対」
紬「……」
風子「そうですね」
時間が場所を風化させる。
それは寂しいけれど、この世の理といっていい。
風は形を崩すものでもある。
紬「人の心は変わらない。そうじゃないかしら」
律「へへっ、そうだなっ」
瀬織「……」
紬「瀬織さんは、人の怖さを知っていると思います。それは私が想像を絶するほど」
瀬織「そうね、だから争いが生まれ最悪、命を奪うなんて愚かなことをするのよね」
風子「っ!」
紬「それでも、今、私たちの傍に居てくれている。これも事実ですよね」
瀬織「……そうね」
律「この世界の成り立ちだな。人が居ないと神は力を持たない。妖怪も生まれない。影女のようにな」
瀬織「……」
――。
律「……そうだな。瀬織の気持ちも考えずに偉そうなこと言った。悪い」
瀬織「気にしてないから、謝らないでいいよ」
律「……うん」
紬「人が場所になり得ませんか?」
瀬織「?」
風子「……?」
紬「逢いたい人がいたら、それは居場所となるのではないでしょうか」
風子「……」
瀬織「なるほどね、そういうのは経験無かったな」
むぎさんの言葉に深く頷いている。
瀬織「待たせる人も、逢いたい人もいなかったから、それは知らなかった」
それは、少し寂しいと思った。
紬「それじゃあ、今度はふぅちゃんに逢いに来てはどうですか?」
風子「え……!」
瀬織「そうね。……覚えていたら、ね」
紬「うふふ」
律「へへっ」
儚い約束が生まれた。
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