過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2012/04/29(日) 23:03:21.65 ID:EZndgAn8o
「目を覚まして!」
声が聞こえたが、それに応える余裕はなかった。
もう忘れたいんだ。すべてを忘れてしまいたいんだ。もう嫌なんだ。こんなことを繰り返すのは。
だからもう見逃してくれ。頼むから、忘れさせてくれ。
「思い出して! あなたは英雄の魂を持っているのよ! あなたはこの世界を守ることができるの!」
(守る? 俺に?)
「そう、あなたにはできるの! あなたにしかできないの!」
(……そんなこと、俺にできるわけがない。現実を見ろよ)
「現実なんて見なくていいわ!」
ティアは言った。
「"現実なんて見なくていいの"!」
俺の脳裏に、強い光が差し込んだ。一瞬後、それは掻き消える。夕闇の児童公園に、俺と四匹の黒犬がいた。
黒犬は、不意に視線を動かし、鼻を鳴らす。
ベンチには黒スーツの男が血まみれで倒れていた。
――頭が急激に冴えていく。
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