過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/29(日) 23:03:21.65 ID:EZndgAn8o

「目を覚まして!」

 声が聞こえたが、それに応える余裕はなかった。
 
 もう忘れたいんだ。すべてを忘れてしまいたいんだ。もう嫌なんだ。こんなことを繰り返すのは。
 だからもう見逃してくれ。頼むから、忘れさせてくれ。

「思い出して! あなたは英雄の魂を持っているのよ! あなたはこの世界を守ることができるの!」

(守る? 俺に?)

「そう、あなたにはできるの! あなたにしかできないの!」

(……そんなこと、俺にできるわけがない。現実を見ろよ)

「現実なんて見なくていいわ!」

 ティアは言った。

「"現実なんて見なくていいの"!」

 俺の脳裏に、強い光が差し込んだ。一瞬後、それは掻き消える。夕闇の児童公園に、俺と四匹の黒犬がいた。

 黒犬は、不意に視線を動かし、鼻を鳴らす。
 ベンチには黒スーツの男が血まみれで倒れていた。

 ――頭が急激に冴えていく。




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