過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/04/24(火) 23:30:43.58 ID:qSbSwrSBo




 俺は校舎の屋上に寝転がっていた。太陽が燦々と輝き、空は青く、遥かまで澄んでいる。
 下の階でどこかのクラスが音楽の授業をしているのだろう、合唱曲の歌声がぼんやりと聞こえた。

 屋上にいるのが好きだった。一日中ずっと寝そべっていてもいいくらいだ。
 雨が降ってもきっと気にならない。それくらい、俺にとって屋上は特別なスペースだ。

 どうしてこんなに安心するのだろうと、何度も考えたことがある。
 その結果、この場所のいくつかの特徴がそう感じさせるのだろうと納得した。

 屋上という場所はかなり特殊だ。
"屋内"ではないが、"屋外"でもない。限りなく開かれているにも関わらず、ここからはどこにも向かえない。
 つまり一種の閉鎖空間だ。
 
 この開かれ閉ざされた空間に、俺は不思議なほどの安堵を抱く。いつからそうなったのかは思い出せない。 
 とにかく俺にとって、屋上はそういう空間だ。この場所でだけ、俺は安らぐことができる。……静かに眠ることができる。
 この"外"でもなく"内"でもない場所でこそ。




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