過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/01(火) 20:57:31.94 ID:8IGpIStuo

「ここにはあまりいない方がいいわ。引きずり込まれてしまいそう」

 俺は小声で訊ね返す。

「引きずり込まれるって、どこに?」

「冥界」

 その言葉が彼女の口から出るのは意外だった。思ったことをそのまま告げようとしたとき、彼女の手紙にあった記述を思い出した。

 ――あの忌々しい異形の魔神、混沌と破綻と絶望の使者、あの暗愚な冥王――

 <冥王>?
 
 不意に、何かが落ちる音がした。静まり返った校舎に、その音は大きく響き渡る。
 シラノの身体がすくみあがるのが、俺の視界からはよく見えた。ハカセは音のした方を振り向く。
 
 どうやら、懐中電灯が落ちたらしい。皆が安堵の溜め息をついたのが分かる。
 後輩は懐中電灯を拾ってから、不思議そうに辺りを見回して、言った。

「……トンボ先輩は?」




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