過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/02(水) 19:21:11.63 ID:l/93gnlro


 

 駅前近くの雑居ビルの二階に、あの魔法使いの事務所はあった。
 ドアをノックすると気だるげな返事があり、扉を開けると彼女は「おー」と挨拶ともつかない声をあげた。

 応接間に足を踏み入れると、あの大男がソファに座って新聞を読んでいた。傍で例の少女がリンゴを剥いている。
(この少女は、どうしてこんなにこの男になついたのだろう)

「どんな具合?」

 俺が訊ねると、大男は笑った。

「至って健康そのものだよ。明日には包帯もとれるさ」

「へえ。良かったね」

「ああ。まぁ、慣れっこだよ」

 それはそうだろう。

「近頃は変なことばかり起こる」

 大男は言った。サングラスを外した彼の表情は、なんだか優しげな野生の熊みたいに見えた。




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