過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/04(金) 13:54:04.75 ID:t9IXALoJo

「うざい」

 世の中にはうっとうしいことが溢れている。
 一言で言えば、世の中は「うざい」。
 「うざい」奴ばかり。「うざい」ことばかり。勉強も仕事も恋愛も「うざい」。「うざい」。
 
 思春期の少女たちにはなおさら、ちょっとしたことですら「うざい」ものばかりだったのだろう。
 それを一言で綺麗に失わせる、「うざい」という言葉の切れ味は、ナイフのように鋭い。

 シラノが本当にうざかったのかどうかは分からない。憂さ晴らしのつもりだったのかもしれない。
 誰も彼もが胸の内側に、発散しきれないわだかまりを抱え込むような時期なのだ。

 たかだか数人のクズの心の安寧の為に、彼女の安らぎが犠牲にされたのは、赦しがたいことではあるが。

 何をするにもそんな調子で、仲の良い友人(と、担任たちは思っていただろう)に責めたてられるものだから、彼女はすっかり弱ってしまった。
 まずは食欲がなくなって、夜眠れなくなった。何かをしていて急に不安になることが多くなった。
 そんな調子でいると、「被害者ぶってる」と言われて、また責められる。

 それでも他に友人はなく、彼女はその人間たちと行動をともにするしかなかった。
 修学旅行の班もホテルも移動時間も、すべて友人たちの近くにいることになった。




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