過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
1- 20
211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/06(日) 18:17:32.12 ID:PB+9q1/Uo

 俺は後輩に話を聞くことができなかった。
 彼女に何を聞くことができる?
 見間違いじゃないのか、道を間違えたんじゃないのか、気のせいだったんじゃないか。まさかそんな馬鹿げたことは言えない。

 あきらかに異常は起こっている。俺はそれに対して解決を提示できない。
 何も言うことなんてできない。結局のところそれは、俺の問題ではなく彼女の問題なのだ。

 彼女はしばらく泣きじゃくっていたが、やがて気分が落ち着いていたのか、心ここにあらずという様子ではあったが、涙をとめた。

 ふと気づいたように顔をあげ、今にも消え失せてしまいそうな弱々しい微笑を浮かべ、俺に謝った。

「すみませんでした、部長。いきなり呼び出して……」

「いや」

 俺は苦笑しそうになったが、押し殺した。非常識な状況で常識的な対応をされても笑うしかない。
「呼び出してごめんなさい」なんて言っていられる状況じゃないのだ。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
445Res/341.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice