過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
1- 20
295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:18:11.15 ID:VRpUIwhYo



 
 目を覚ますと、呆れ顔の魔法使いが見えた。

 最初に感じたのは後悔だった。どうして目を覚ましたんだろう。
 もう俺は目を覚ましていたくなかった。何かを思い出してしまった気がしたのだ。

 もう手遅れだった。俺はもう涙も流せなかった。いっそこのまま機械になってしまいたい。
 何もかもが俺の表面だけを撫で、通り過ぎている。何も俺の奥底の芯には触れてくれない。
 俺を揺さぶるものはひとつだって残されていない気がした。

 でも、それはただの錯覚だ。現に俺は後輩の姿を見れば胸を揺さぶられ、ハカセと笑い合えば楽しくなる。
 シラノと話すことで悲しくなることもあるし、新しく出会った誰かの内面に触れることは常に面白い。

 だからこそ、この世は地獄よりも地獄的なのだ。
 俺はもう楽しい気持ちになんてなりたくない。ただ嘆いていたい。悼んでいたい。悲しんでいたい。憐れんでいたい。
 俺の精神は明らかにそういった形の生を望んでいる。にも関わらず、なぜ心は未だに活発に動き回るのだろう?
 結局のところ、俺は真実傷付いてはいないのかもしれない。そのことが何よりも悲しい。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
445Res/341.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice