過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/28(土) 21:39:29.98 ID:mxMnZGlwo




「人間なんて、結局ひとりぼっちだな」

 中学のとき、ハカセは俺に言った。
 俺が一年、彼が三年。対等な友人同士として生活するには、あまり釣合のとれていない関係だ。
 もっとも、俺たちは友人なんかじゃなかったし、もともと周囲とは距離を置きがちだったので、釣合はあまり関係がなかった。

 彼のそのときの言葉は、今となっては、鼻で笑いたくなるほど思春期らしい言葉だ。
 けれどそのときの俺には、その言葉はとても納得がいくものだった。
 
 合点がいく、とでも言うのだろうか。俺は大いに納得したのだ。

 そうだ、人間なんてひとりぼっちだ。結局、誰も彼も孤独なのだ。
 上手いこと誤魔化しているだけだ。孤独なのだ。孤独なのだ。みんなそれをごまかしているのだ。
 だましだましで生きているだけなのだ。

 俺はそうやって納得した。
 思春期にありがちな斜に構えたものの見方のひとつだ。

 もちろん、孤独という言葉の定義によって、「人間は孤独」と言えるかどうかも変わる。
 人間は完全に理解し合うことができない。だが、それも「理解」の定義によって結論が異なる。
 同時に「完全」という言葉も定義しなくてはならないだろう。
(まさしく児戯に等しい考えごとだ)




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