過去ログ - 芳川桔梗「言ったでしょう? 私の名前を忘れないでって……」
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78: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/05/19(土) 00:44:11.47 ID:jYlE53rwo

「……だ、だって……」

垣根は定まらない視点のまま、ポツポツと言葉をこぼしはじめた。

「それ、じゃあ……」

ひとつ何かが壊れた。

「ミサカは、俺が……」

またひとつ、何かが崩れる。

「俺が、俺のせいで死んだって、事……じゃねぇか……。
俺は自分のせいで、最も愛するやつを殺しちまったって事じゃねぇか」

そして、決壊した。

「俺が大切だと思ったから!
俺を大切だと思ってくれたから!
だから、ミサカは死んだってことじゃねぇか!
そんなの、俺は信じたくない!
俺なんかを守ろうとした?
なんで自分より価値のないものを守ろうとするんだよ!
俺は、ただ、ミサカが元気に笑ってくれているだけで、幸せなのに……」

「だから、違うんだよ。
お前のせいじゃなくて、お前のためにだ。
たったひとつしかねぇ命を、お前にくれたんだ。
それは、お前と同じ気持ちがあったからだ。
ミサカはお前がミサカに望んだように、ただお前が元気で笑っていたら、それで幸せだったんだよ。
ミサカが死んだ責任逃れをしたいわけじゃないだろ?
お前は、大切なものを作らない理由が欲しかっただけなんだ。
だから、頭良いはずのお前のいう事がさっきから論理性もなければ筋も通っちゃいないんだ。
……ほら、落ち着けよ」

垣根の決壊は、上条の言葉で一瞬で止まった。


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