過去ログ - 貧乏神「私がメイドですかッ!?」
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/05(土) 23:09:09.25 ID:VFxwHF9DO
貧乏神「あたた……」

人形「ったく、勝手に人の館で眠りこけるなんて、いい度胸ね」

貧乏神「す、すいません」

貧乏神はタオルにくるまったまま、恥ずかしそうに顔を伏せる。
すると、人形が呆れたように切れ長の瞳を細め、ため息混じりに口を開いた。

人形「ところで、さっきまであなたが着ていたボロ布だけど……」

貧乏神「あっ、はい。まだ少し湿っていたから、脱いで乾かそうと思って」

人形「そう、斬新な乾かし方ね」

貧乏神「……斬新?」

はて、と貧乏神は首をひねる。
ボロ布は床に脱ぎ捨てただけで、特に手はかけていない。
貧乏神の考える限り、斬新と呼ばれる所以が見つからなかった。
なので、確認するように自然と貧乏神の視線はボロ布へと向かう。

貧乏神「……あれ?」

が、無い。
床の上からボロ布の姿が忽然と消えていた。

貧乏神「えーと」

キョロキョロと辺りを見回す貧乏神。
その背中に、人形がポツリと告げた。

人形「暖炉よ」

貧乏神「暖炉?」

人形に言われ、貧乏神は視線を暖炉に向けてみる。
暖炉の中では組まれたマキが燃え盛っており、そこにある物はすべて炎の赤一色に染まっている。
そう、それが例え貧乏神のボロ布であろうと、情け容赦なく。

貧乏神「きゃーっ!?」

貧乏神の叫ぶ声もむなしく、ボロ布は一瞬でチリとなって消えた。


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