53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]
2012/05/03(木) 08:53:23.38 ID:4KVpU/Jb0
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「詰めが甘かったですね」
「うん。ごめんなさい、結局ココは登らないとダメなんですねぇ」
「いえいえ、でも3階まで登らないで済んだだけマシですよ」
今はもう朝比奈さんのマンション前である。まさか3日連続でこの高い塀をよじ登らないとならないとは……結構高いんですよここ。
だが、冒頭のセリフの通り3階までは登らずに済みそうだ。と言うのも彼女が事前に自分の郵便ポストに鍵を入れていた為、俺は塀を登るとそのままロビーへ行き、オートロックの鍵を開ける。
「ありがとうございます」
「いえいえ。お安い御用ですよ」
ポストに入っていた鍵を確認すると、彼女からも安堵の表情が伺えた。
「じゃあまた明日」
「はい……」
いつもなら普通に帰っちまうはずなのだが、中々足が動こうとはしなかった。
「どうしたの?」
「いや、あの……俺は学校で朝比奈さんと会ったとしても果たして普通に……朝比奈さんに喋る事ができるのかなって」
「大丈夫ですよぉ。ほら、あたし達はエッチな事はしちゃいましたけど、エッチはしてないんですから」
あんまり励ましの言葉になりません朝比奈さん。あれはもうレッドカードだと思うのは俺だけですかね?
「心配しないで。大丈夫ですから」
いつものパターンと真逆である。しかしながら朝比奈さんってこんなに頼りになる人だったのだろうか? 今回の惨事では俺より肝が据わっているというか……
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