過去ログ - さやか「あたし……もうゾンビなんだよ!」大道克巳「それがどうした!」
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54: ◆mbgGrCikwU[saga ]
2012/05/08(火) 08:14:28.22 ID:4+g23aav0


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「さて、巴マミ、俺はお前に聞いておきたいことがある」

「先ほど話した通り答えられる範囲では答えるつもりです」

 二人きりの部屋。
 さやかとまどかは既に帰っていた。
 そうなるように大道が仕向けたのだ。
 彼女らの前ではマミだって話したくない話も多いことを大道はわかっていた。

「美樹さやかと鹿目まどかの前で、話さなかったことについても聞かせてもらうぞ」

「ええ、“貴方も”同じような目に遭ったんでしょう?
 今更黙っている必要もありません
 あの子たちの前では聞かないでいてくれたことを感謝しています」

「巴マミ、お前が受けた改造手術、そして戦闘訓練について聞かせてもらおう」

「貴方も聞いたかもしれませんが私は魔女によって首を食いちぎられました」

 マミは紅茶を飲む。

「しかし魔法少女はそれだけでは死ねない、ソウルジェムを破壊されなければ死なないのです」

「それは聞いている」

「私の魂の入ったソウルジェムは何者かの手引きでこの街に潜入していた財団Xによって確保された
 そして新しく用意されていたこのクローンの身体に移し替えられました」

「この身体に移ったときには既にネバーになるための手術は済んでいて、私が意識を取り戻してから受けていたのはクオークスとしての訓練です
 ものすごい早さで飛んでくる鉄球をサイコキネシスで止めたり、訳のわからない仮面の人達を殺すように命令されたり……
 あと銃の扱いや棒術、鞭と体術の練習をさせられました
 どこかの国の傭兵集団のDVDを嫌になるまで見せられて真似させられて……
 その訓練は元々私の戦闘スタイルに馴染んでいたんで楽だったんですけど……」

「練習の間、的として使っていた……マスカレイドドーパントって言うんですか?
 あの人達が殺すときに、命乞いをするんですよ」

 カップがカタカタと震える。

「それで私が戸惑っていると……」

「もう良い、俺と同じだ」

 しかし、最初から躊躇わなかった自分より、まだ彼女のほうが人間に近い。
 俺はどこまで行っても悪魔なのだ、と大道は自らを嘲る。

「怖かった……」

 巴マミの声が震えている。
 おそらくは後輩たちの前で気丈に振舞っていたのだろうが、一人に戻れば彼女とてまた普通の少女である。
 大道には母親が居た、しかし彼女にはそれが居なかった。
 それ故に彼女は大道が味わった以上の孤独と絶望を味わったのだろう。


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