264: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:13:19.89 ID:2ytvna2r0
黒崎「な、何だよ!!」
すぐに我に返り、そんな初春にほぼ喧嘩腰といった感じで怒鳴りつける。
初春「助け出そうとしても、鍵が折れたら元も子もないじゃないですか。ここがだめなら、後ろの入口を試せばいいだけの話でしょう」
冷めたといった面持ちで、すっと廊下の奥を指差す。
薄暗い廊下を少し進んだところに、閉ざされた引き戸が見える。
その上には『図工室』と書かれた札があることから、戸さえ開けば、ここからでも入れる。
黒崎「……あ、ああ」
全身から力が一気に抜けてしまったかのように。
言われるがままに後方の引き戸をぼんやりと見詰めながら、気の無い返事をした。
言われたら確かにその通りだ。
他の教室みたいに、前の廊下が崩れてたどり着けないわけじゃないのに。
――何、自分一人がテンパってるんだよ。
少し考えたら、簡単に分かる話じゃないか。
ここしかないって、勝手に思い込んでるんだよ。
そりゃ、刻命のことがマジで心配でもよ……カッコ悪いにも程があるっての。
これまでしてきた自分の反応に――ただ、恥ずかしさを感じてしまう。
小さくため息を吐く。
そして、右手で頭を小さく掻き毟りながら、バツの悪そうな顔を初春に向ける。
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