320: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2013/02/04(月) 04:28:52.47 ID:qFLkEode0
初春「……ないで……しぃ……」
少なくとも――初春の目には、黒崎の姿は見えていなかった。
彼女の耳に、彼の声も入っていなかった。
いや、瞳は彼の姿を捉え、鼓膜は彼の音声を響かせていたが――精神がそれらをいずれも認識していないといった方が正しいだろう。
震えた虚ろな瞳で黒崎をじっと見つめ、先程よりやや大きな声で何かを呟く。
黒崎「何言ってるか分かんねぇって!!」
そんな彼女の顔をただじっと見つめながら、必死に叫ぶ。
しかし、彼は知らなかった。
――初春の目に何が映って、何が聞こえているのかを。
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