38: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/05/25(金) 23:19:37.84 ID:JGVhH3Y+0
初春「あとの……って、一部の人は見つかったのですか?」
刻命の着ている制服のズボンと肩に掛けている上着を交互に見比べながら、おずおずと尋ねた。
紫色のブレザーに、黒のズボン。
そして、上着の胸元にある――"BHS"という文字が入った校章。
見覚えがあった。
美琴と一緒に本館を探索していた時に――児童霊に追われていた時に目に入った、3体の白骨死体。
それらが着ていた服と酷似していた。
いや――そのものだった。
確か、そのうち1体の生徒証にあった記載。
――白檀高等学校2年4組 大川智寛。
そして、目の前にいる刻命も――その白檀高校の生徒。
彼はそのことを知っているのだろうか。
いや――それ以前に、そのことを話していいのだろうか。
探しているクラスメートが死体になっていたなんて、正直安易に言えるものではない。
ましてや、生きていてほしいと願いながら一生懸命に探している者に、そのことを告げるのは――あまりにも残酷というもの。
かといって、そのことを胸のうちにしまったままにするというのも、どうかという気持ちだった。
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