過去ログ - 青子「……」有珠「……ひどい」草十郎「……ごめん」
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43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 19:46:35.06 ID:YJemFYN90

(そして俺は卵に負けた気がした……)


 草十郎は、自分が意識を失った理由をようやく思い出した。思い出した途端に落ちこんだ。


(卵捕まえて、転げ落ちた先で気を失うって俺はどんだけ……)


 間抜けだ。食い意地が張っている上に、ものすごく間抜けだと草十郎は唇を噛みしめた。
 正確には、その卵型の呪いにやられたのだが。


(なんだかお腹が空いたな、ハムと玉子焼きが食べたい)


 草十郎は十七年の人生で、今まで一度もハムを食べたことがなかった。
 両親はすでに亡く、決して裕福ではない山奥での生活化で、
「ハムが食べたい」と言えるほど草十郎は図々しくできていなかったのだ。


(あ〜でも、死ななくてよかったー)


 あの高さから落ちたら普通死ぬよなあと、草十郎は最後に見た景色を思い浮かべる。
 と同時に、頭の奥でキィンと嫌な音がした。


(あれ? でもその前に)


 崖から落ちる、その直前。
 何かすごく、怖いものを見た気がした。なのに、草十郎はそれを具体的には思い出せなかった。



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