過去ログ - 青子「……」有珠「……ひどい」草十郎「……ごめん」
1- 20
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/05(土) 01:28:36.76 ID:PwLoTL370



 本当に、……をする必要があるのだろうか、
 という疑問を……。



 ――だが、結局、俺は……
 草十郎の脳裏には、青酸カリを飲み、机の上につっぷしている鳶丸の姿が焼きつけられていた。
 机の上に残されていた彼の遺書――死体は焼却し、灰と骨は肥料として農家に売却すべし、そこから生えた木が、
 金の成る木か、金を吸う木なら結構である……そこには、そう書かれてあったという。


 三咲高校の理事長・槻司一義の五子、槻司 鳶丸(つきじ とびまる)を自殺に追いやったのは俺だ。
 あの心優しいな男が、ついに最後までその事実に気がつかず、自らの意志で死を選んだと信じ、青酸カリを飲んだのだ……。
 草十郎は唇を血の出るほど噛みしめていた。










「静希くん――さあ食事の時間よ」





 しばらくして鉄格子の向こうから少女の声がかかった。
 うっそりと立ち上がって、草十郎は地下室を出た。
 もちろん地下室に入れられているのが好きなわけではないが、だからといって、出られて嬉しいとも思わなかった。
 あちらから、こちらへ身を移した――草十郎にとっては、ただそれだけのことなのだ。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
104Res/75.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice