過去ログ - 青子「……」有珠「……ひどい」草十郎「……ごめん」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 13:49:01.94 ID:l6lpwwcP0

「そう、どうして草十郎のことをそんなに気になさるんですか」


「儂が気にしておるのは、小僧のことではない……」


 土桔 由里彦の表情から初めて笑いが消えた。


「小僧ごときがなにをどう動こうとたいしたことではない……
 あ奴に関わってはならないはずのその掟を破れば、結局は、火に群がる蛾のように彼奴に懸想する小娘どもも滅んでいくだけのこと。
 小僧一人のことじゃったら、なにもおまえたちが手を出すまでのことはない……
 だが、儂には、あやつの後ろの影が見えるのじゃよ」


「影って……なんのことですか?」


「……儂には坊主の後ろにいる弥勒が観える。
 放っておけば、その弥勒がこの界隈に数々の疫災をもたらすであろうことが分かるのじゃよ。
 今頃になって、馬鹿げたことではあるがな……」


 本来の弥勒、救済仏という一般の通念とは異なり、なにかとてつもなく悪しき存在という意味合いを持って
 土桔 由里彦は震えながら語った。
 ……だが、そこにはどんな現実感も見いだすことができなかった。
 今の彼にとって、唯一現実感を伴うものは、自身の思考だけであった。
 でも彼女が真に草十郎の悲惨を救うことができるのだとしたら……
 鳶丸は低い声で言った。



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