過去ログ - フィアンマ「オッレルスに性的な悪戯をしようと思う。安価が導くままに」
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401: ◆H0UG3c6kjA[saga]
2012/05/23(水) 00:30:20.74 ID:nPhB5cQX0


改めて目を覚ますと、いつも通り、フィアンマは隣で眠っていた。上体を起こす。
随分と長い夢だったように感じる。なかなか楽しかった。
別に現実に不満がある訳じゃない…と思いこもうとしているだけで、もしかしたら多大にあるのかもしれない。
彼女と結婚出来ず、将来も不安定、抱えている子供達の人生も心配で。
問題が山積み過ぎて、バランス悪く積まれてしまったダルマ落としの様に、一つの問題を無理矢理に解決すればそこに歪みが生じ、他の問題が深刻化するようになっている。
どちらにせよ、現状維持のまま見守っていれば、その塔は崩れていってしまうとわかっているのに。

「…君が『救済』の方法をあんな大仰で大規模なものにした理由が、よくわかるよ」

ぽつり、知らず知らず口から呟きが漏れていくのを自覚しながらも、止められないまま、フィアンマの頬を撫でる。
好きにならなければよかった、などとは考えていない。好きになれて良かったとは思うが、その逆はまずない。
複雑に絡み合った問題は、どれか一つ切り離して単独で絞殺してみたところで、解決出来ない。
天秤にかければ全てが同じ位に重く、どれかを切り捨てることさえ自分自身が赦せない。

「もし、君も俺も、普通の人間だったら」

世界を揺るがす力など無かったら、或いは先程まで見ていた夢の様に、普通に出逢って普通に恋をして普通に暮らせたのかもしれない。
だが、この仮定は彼女と自分の人生を丸ごと否定してしまう事だ。本来口にしてはいけない言葉。
そもそもこんな力が互いに無ければ、出逢う事も無かっただろう。
過ちを犯す事も無かっただろうとも思うが。

「フィアンマ、俺を救ってくれ」

弱弱しい声で、自分の意思とは無関係に呟きが漏れていく。
本来神に頼むべき事項を眼前で眠る恋人に頼んでしまいながら、そっと手を握る。
彼女の手を借りて指折り組む形で、無言のままに、きっと居もしない神に祈る。

どうか、今積み重なり過ぎている問題が、一度にして解決してしまいますように。










「…俺様が、救ってやる」


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