7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[saga sage]
2012/05/13(日) 23:10:47.89 ID:xgkb/hFfo
おねえさんはわたしにどんなものを書いてるの、と聞いた。
ファンタジーだよ、とわたしは言った。
わけのわからないものを説明するのには便利な言葉だ。
もっと現実的なものを書かなきゃダメだとおねえさんは忠告した。
現実的ってどんな感じってわたしが聞くと、おねえさんはいくつもの例をあげて教えてくれた。
離別、孤独、嫉妬、誰かの死、裏切り、などなど。
そこで、わたしは一時期この現実感というものに悩まされることになった。
きっと、そんな恐ろしい未来が誰の前にも待っていて、幸せでいれるのは子供だけだって。
挙句の果てには、おねえさんは高校を卒業したら死ぬんだとまで言い切った。
もちろん、今も彼女は生きていて、ときどきメールを交換したりする。
わたしがこのことを問いただすと、生き返ったのだという。おねえさんは一度も嘘をついたことがないから案外そんなこともあるのかもしれない。
そして、残念ながらわたしはまだこのうちのどれにもお世話になっていない。
だから、もしかしたらわたしは現実じゃないどこか――例えば、夢の中で生きていたりするのかもしれないな。
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