過去ログ - あやせ「-------------------あなたのことが好きです」
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◆36m41V4qpU
[saga sage]
2012/05/16(水) 04:40:05.12 ID:HWhlZu0P0
もう あやせは何も言わなかった。ただ--------ただ ずっと空を眺めていた。
まるで見つめている虚空に何かを祈るみたいに………………
特別な何かが降ってくることを、ずっと待ちこがれて願うように………………
いくら待ってたって、冷たい雨粒以外に何かが落ちてくるわけなんてないのに……………
最初は霞のカーテンだった雨は、俺がぼんやりそんな事を考えている間に
どんどん勢いが増してきて、今は土砂降りとなって激しく俺たちを打ちつけていた。
一瞬、ほんの一瞬だけ あ._い._つ._の顔が思い浮かんだけど……………
ずっと俺の下手な嘘に騙されたフリをしてくれた
妹の趣味を葛藤しながら認めてくれた
俺の勉強の為に、 生活の世話を甲斐甲斐しく焼いてくれてた
俺(ら)のせいで、 勇気を出した告白を冗談と悲しい笑顔で誤魔化した
目の前のこいつは 涙と雨で頬を濡らし続けてる………………………
この先、 後悔しても……………今この瞬間 何もやらない後悔よりはマシだよな?
この後に、 俺たちに何が起こったとしても 何が起._き._な._か._っ._た._としても
相変わらず 足は重いし 手に力は入らない………………
でも俺は出来るだけ口を大きく開くと雨粒を口に含んで 思いっきり飲み干した。
「あやせ………………雨宿りしよう」
「え?」
「ほら! このままじゃ風邪引いちまうぞ」
俺はロクに返事も聞かず、強引に手を握ると有無も言わせずに
空き部屋になったばかりの、(元)俺の部屋にあやせを連れて行った。
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