過去ログ - 垣根「言ってるだろう、俺に常識は通用しねえって」
1- 20
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県)[sage]
2012/05/21(月) 21:36:54.95 ID:vLaUGEUOo
ある日の深夜。

「おじさん、夜分遅くにすみませんが、少しよろしいでしょうか。」

俺は2枚の切り札を携え、家に(勝手に)宿泊している、親戚の男の部屋を訪ねた。
親戚どもの討論の際にリーダーシップを発揮していた男だ。


「……帝督君か。入りたまえ。」

ややあって、部屋の中から声が聞こえた。


「何の用だい?私は昼間大事な話をして、少し疲れているんだ。手短に頼むよ。」

ほう、俺を家から追い出し、親父達の遺産をふんだくる為の算段が大事な話ときたか。
よく言うぜ。


「すみません。しかし、僕の今後についてのご相談がありまして。勿論、手ぶらで伺ったわけではありません。」

俺は男への侮蔑を隠し、手に持っていたものを見せた。


「おや、それは……」

男は俺の手にあるものを見て、顔を綻ばせた。
それは、以前俺が親父の書斎からくすねた、ビンテージものの高級酒だった。


「これは、僕が父の書斎を整理していた際に見つけたものです。
 おじさんはお酒が好きと伺いましたので、僕の話を聞いていただく代わりに、こちらを差し上げようかと。
 ご覧の通り、父はこれを一口も飲まぬまま、あの世に行ってしまいましたので。」

「う、うむ、座りたまえ。話はそちらをいただきながらゆっくり聞こう。」


よし、何とか交渉の席に着けた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
332Res/191.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice