17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]
2012/05/19(土) 00:04:21.59 ID:o3uW977ro
さっきの風よりは幾分穏やかな風
だけど私はその風に対してなんの抵抗もしなかった
いえ、出来なかった
ただ風が吹くままに髪が乱れる
その乱れた髪が私と澪ちゃんの触れ合う部分を覆い隠す
まるで二人だけの秘密を守るように
どれくらいの間そうしていたのだろうか
きっと私の頭の中はいまだかつて無い濃厚で凝縮された経験のために
処理が追いつかなくなりオーバーロードをしていたのだろう
なので、私にはその時間を正確に把握することはできなかった
ふと気づくとすでに澪ちゃんは私から離れていた
唇にはまだ微かに感触が残っている
もう一度女の子が離してしまった風船を見る
2度目の風が吹く前とさほど変わらない高度を漂っている
そこで初めてさっきの出来事はほんの一瞬のことだったのだと悟った
私はどういう訳かその風船がどの木の枝にも引っかからずに
大空へ舞い上がって欲しいと願った
女の子には悪いけど、なぜだかそう願わずにはいられなかった
160Res/113.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。