236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/07/08(日) 20:57:29.22 ID:cs/FQl7x0
二
「りつこ、りつこや……」
「何さおとっつあん、あたいはまだ眠いんだよォ」
むくりと起き上がった。
なんだまだ朝ではないか。
店を開くには早すぎる。
自分は誰と話していたのだろうとぼんやり考えると、それは父だと分かった。
しかし、りつこの父親はもはやこの世にはいない。
ぼさぼさとした頭を掻き、なんとなく整えて、顔を洗う。
「まだ寝てられるってのに、仕ッ方ないねェ」
どうしてこんな自分が店を継いだのか、毎朝のように思うことだ。
「勝ッ手に死んで、
娘に仕事任せちゃあ世話ねェや。
さあて、と」
ようやく頭が回ってきた。
てきぱきと動き回り、店の支度を始めている。
自分の容姿を準備するのは一番後になりそうだと、りつこは手を止めることなく考えた。
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